11月2019

長時間残業の過重労働による脳・心臓疾患の労災認定について

先日、ある会社に勤務していた方が、仕事中に脳出血で倒れて、高次脳機能障害と左半身麻痺の後遺障害が残ったため、労基署に対して労災認定の申請をしていた事件があり、障害等級2級の労災が認められました。

この方は、管理職の方で、脳出血を発症する前の6か月から1年間は、1か月に100時間以上の残業をしていました。

 

ただ、この方は、自分が管理職のため、労災申請はできないと思っており、当事務所に相談に来られた際には、発症後、3年以上経過したあとでした。

 

相談を受けてから、まず、勤務先に対して、勤怠管理表の提出を求めるとともに、通勤に利用していたICカードの履歴の開示を求めるなどして、発症前、6か月間の労働時間と時間外労働時間の調査と把握を行いました。

 

次に、主治医と面談の上、現在の症状や後遺障害について聞き取りを行うとともに、労災の障害給付の診断書の作成を依頼しました。

 

そのうえで、勤務先の人事担当と面談して、労災申請を行う旨を伝えるとともに、相談者の担当業務や時間外労働の状況などについて確認し、労災の申請書類への証明を依頼しました。

 

そして、申請書類を揃えて、労基署に出向いて労災申請をするとともに、相談者の担当業務の内容や時間外労働の状況などについて、資料を提出して説明を行いました。

 

これらの結果、相談から約1年と2か月、労災申請から約7か月で、労災として認められ、障害給付を受けることができるようになりました。

障害給付の額は、毎月30万円を超える支給が認められ、今後、生涯にわたって給付を受けることができます。

 

今後、勤務先との間で、労災では補償の対象となっていない、慰謝料や逸失利益の請求を行うこととなりますが、まずは一段落ということです。

 

過重労働による脳・心臓疾患の労災が認められるためには、発症が業務による明らかな過重負荷によるものであることを立証する必要があります。

 

そのため、労災認定を受けるためには、発症前の仕事の内容や時間外労働時間の把握、勤務先や主治医との交渉・調整、労基署への説明などが必要となり、通常の労災申請と比較すると、相当な時間と作業が必要となります。

 

また、専門的な知識や経験なども欠かすことはできないと思います。

 

当事務所では、これまで、過重労働による脳・心臓疾患の労災認定について、数多く扱っており、専門的な知識とノウハウが持っています。

 

過重労働による脳・心臓疾患の労災認定など、労災に関することでお悩みの方は、どうぞお気軽に当事務所まで、ご相談ください。

 

不貞行為の相手方に対する離婚に伴う慰謝料請求について

夫婦の一方が、不貞行為に及びそれにより婚姻関係が破綻した場合には、離婚に際して、不貞をした配偶者に対して、離婚慰謝料を請求することができます。

 

この場合の離婚慰謝料には、①離婚原因となった有責行為(不貞行為など)それ自体による精神的苦痛に対する慰謝料、②離婚という結果そのものから生じる精神的苦痛に対する慰謝料が含まれます。

 

他方で、夫婦の一方が、不貞行為に及んだ場合には、不貞行為の相手方(浮気相手)に対して、不貞慰謝料を請求することが認められています。

また、不貞行為により、婚姻関係が破綻した場合には、慰謝料を上乗せすることが一般的です。

 

こうした中で、夫婦の一方の不貞行為により婚姻関係が破綻し、離婚に至った場合に、不貞行為の相手方(浮気相手)に対して、不貞慰謝料を請求せずに、第三者たる不貞相手の不貞行為によって離婚をやむなくされたと主張して、離婚慰謝料を請求できるかという問題があります。

 

これは、不貞慰謝料は、不法行為に基づく損害賠償のため、不貞行為の事実と相手方を知ってから3年間が経過すると、時効により請求できないことと関係しています。

 

例えば、夫婦の一方の不貞により、別居となり、その後、不貞関係が解消したが、結局、3年以上経過して、離婚に至ったというようなケースです。

 

このような第三者の行為に対する離婚の慰謝料については、過去には、いわゆる「嫁いびり」の事案で、認められたことがあります。

 

そして、最高裁は、今回、不貞行為の相手方に対する離婚に伴う慰謝料請求の事案について、「不貞行為である第三者が、単に夫婦の一方との間で不貞行為に及ぶにととまらず、当該夫婦を離婚させることを意図してその婚姻関係に対する不当な干渉をするなどして当該夫婦を離婚のやむなきに至らしめたものと評価すべき特段の事情がない限り、当該第三者に対し、離婚慰謝料を請求することはできない。」と判断しました。

 

つまり、単に不貞行為があったというだけでは、不貞行為の相手方に対する離婚に伴う慰謝料請求は認められず、客観的に何らかの付加的行為が必要であるということです。

恐らく、夫婦が離婚に至るまでの経緯は、夫婦の諸事情に応じて一応ではなく、夫婦という2人の人間の間の作用・反作用の無数の連鎖反応の過程の結果、離婚に至るものであり、部外者である第三者の行為は、その要因の一つに過ぎないということだと思います。

 

離婚や親権などの家族関係のトラブルで、お悩みの方はどうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

 

肥前名護屋城!!

皆さんは、名護屋城をご存じですか?

愛知県の名古屋城ではありません。

名護屋城は豊臣秀吉の朝鮮出兵(文禄・慶長の役)に際して出兵拠点として築かれた城です。

現在の佐賀県唐津市にあります。

 

1592(文禄元)年の開戦から秀吉の死で諸大名が 撤退するまで、7年の間大陸侵攻の拠点となりました。
城の面積は約17ヘクタールにおよび、当時では大坂城に次ぐ規模を誇りました。

周囲には130以上に上る諸大名の陣屋が構築され、全国から20万人を超える人々が集ったとされています。

 

現在は城跡が残るだけですが、石垣などを見ると、その大きさがわかります。

また、対馬がすぐ近くにあり、朝鮮半島への近さを実感します。

 

以前から、一度、行ってみたいと思っていて、今回、仕事で寄りました。

 

養育費の算定表の改定について

新聞で、離婚訴訟などで広く使われている養育費の算出基準について、最高裁の司法研修所が今よりも受取額が増える方向で、新たな基準を策定する方針を固めたという報道がありました。

 

2003年に示された現行基準には「金額が低く、母子家庭の貧困の原因になっている」との批判が強く、社会情勢に合わせた改定を行うことにしたということで、12月23日に詳細を公表するそうです。

 

現行の養育費の算定表は、子どもの年齢と人数、権利者と義務者の年収をもとに、1か月の養育費の額を算定するもので、調停や訴訟などで広く使われています。

 

ただ、他方で、養育費の額が安すぎる、特別な費用が含まれていないなどの批判も多くありました。

数年前には、日弁連が現行の算定表での養育費を1.5倍ぐらい引き上げる算定表の案を公表しましたが、この案については、逆に額が高すぎるという批判もありました。

 

今回は、最高裁が作成するということですから、実務に与える影響は非常に大きいと思います。

 

養育費など夫婦間のトラブルでお悩みの方は、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

 

道路の管理瑕疵の国家賠償訴訟

先日、ある自治体と訴訟になっていた国家賠償訴訟について、最高裁で上告棄却となり勝訴しました。

 

事件は、約4年前に、知人の親族が、夜間に道路を歩いている際に、対向車を避けるため、道路の端に寄ったところ、道路沿いの深さ1m程度の水路に転落して重症を負ったというものです。

 

こちら側は、道路には十分な街灯もなく、また水路には転落防止用の安全策もないことなどから、道路が「通常有すべき安全性を欠いている」として、国家賠償法2条の公の営造物の管理瑕疵に基づく損害賠償を請求しました。

 

当初は、自治体と示談交渉を約1年間したのですが、自治体側の提示が見舞金としての支払いのみであったため、訴訟となりました。

 

訴訟では、周辺の道路や住宅状況、道路の照度、防護柵などの転落防止用の安全策の必要性の有無、歩行者の行動が異常といえるか、さらには歩行者の過失などが争われました。

争点ごとに、過去の裁判例や資料などに基づいて、詳細な主張を行い、ほとんど自治体側の主張は論破できたと思います。

 

結果としては、地裁で約2年間、高裁、最高裁で約1年間争い、勝訴しました。

内容的には、歩行者の過失が6割となったのが、やや不満ですが、概ね満足できる内容だったと思います。

 

道路、河川、港湾、学校の事故などで被害に遭われた方は、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

 

養育費の時効について

夫婦が離婚した際に、未成年の子どもがいる場合には、監護親に対して、非監護親は所得に応じて、子どもの養育費を支払う必要があります。

しかし、非監護親が、養育費を支払わずに一定期間が経過すると、養育費の請求権が時効により消滅し、過去の養育費の請求はできなくなります。

 

それでは、非監護親が養育費を支払わない場合に、その養育費の請求権はいつ時効となるのでしょうか。

今回は、この問題について、いくつかのケースに分けて考えてみたいと思います。

 

1 養育費について取り決めをしなかった場合
離婚の際に養育費の金額や支払い方法について、全く取り決めをしなかったというケースです。
この場合、過去の養育費について子どもを引き取って育てている母(父)は、父(母)に対して過去の養育費の請求ができる可能性はあります。

 

しかし、実務的には請求した時から、養育費を請求できるとされています。

したがって、この場合には、時効とは関係なく、過去の養育費の請求は、原則としてできないと考えられます。

 

2 養育費について取り決めをしたが、支払いを拒否されている場合
離婚の際、夫婦間で養育費の金額や支払い方法を協議して決定したという場合です。

この場合は、具体的に毎月いくら支払うという、定期的な支払いの合意をすることが通常です。

このような定期的な支払いの取り決めは、民法では、定期給付債権とされ、消滅時効の期間は5年となります(民法169条)。

 

そうすると、いったんこの取り決めをした後に相手が払わなくなった場合、5年を経過すると、それ以前のものは消滅時効が完成しているということになります。

 

3 調停や裁判など、裁判所で養育費について決定した場合
一方、家庭裁判所での調停または審判において養育費の支払いについて決定した場合は、そのときから10年間は消滅時効で請求権が消えることはありません(民法174条の2)。

 

10年を経過すると順次請求権が消滅時効にかかっていきますので早めに請求することが必要です。

 

養育費の請求権を時効などにより、消滅させないためには、専門家である弁護士に相談することをお勧めします。

 

養育費など離婚の問題でお悩みの方は、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

 

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