1月2017

「チラシ」は契約の勧誘にあたるか

不特定多数に向けたチラシなどの広告が消費者契約法に基づく差し止めの対象となるかが争われた訴訟について、先日、最高裁は、「不特定多数に向けられていることを理由に差し止めの対象から一律に除外することはできない」と初めての判断を示しました。

これまでは、個別の消費者への働き掛けでなければ、契約の勧誘にはあたらず、消費者契約法に基づく差し止めは認められないとする考え方もありましたが、最高裁は消費者保護をより重視した判断をしたといえます。

消費者保護法は、事業者が契約の勧誘で事実と異なることを告知した場合は、消費者団体が差し止めを求めることができると定めています。

この判決により、チラシのような広告も「契約の勧誘」に当たり、内容がうそだったり重要な事実を隠したりした場合、消費者契約法に基づき、商品購入契約の取り消しや、広告の差し止めの対象になりうることとなります

また、今回の判断は、個別の契約取り消しにも適用される可能性があります。

不当な勧誘による被害は後を絶たない中で、顧客に契約を直接勧める店頭や個別訪問での販売だけでなく、新聞や雑誌などの紙媒体からテレビ、インターネットまで広告全般を消費者契約法の規制対象に広げ、救済が図りやすくなることが期待されます。

消費者被害などの法的トラブルでお悩みの方は、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

自殺のあった不動産の物件

不動産物件において、過去に当該場所で残虐な殺人事件があったり、自殺があったりすることがあります。

 

一般に、売買において、物件に瑕疵がある場合には、買主は瑕疵担保責任を追及することができ、売買契約の解除権や損害賠償請求権を売主に対して有します。

 

では、自殺のあった物件などは、物件の瑕疵といえるでしょうか。

裁判例は「売買の目的物の瑕疵とは、その物が通常保有する性質を欠いていることをいい、家屋の場合には、家屋として通常有すべき『住み心地のよさ』を欠くときもまた、瑕疵に該当する」としています。

 

ただ、他方で、「『瑕疵』とは、通常人において・・・『住み心地のよさ』を欠くと感ずることに合理性があると判断される程度にいたったことを必要とする」とされています。

 

したがって、自殺があった場所というだけでは必ずしも瑕疵があるということはできず、個別客観的な事情によってくるということになります。

 

どの程度の年数がたっているか(時間的要因)、売買代金の多寡とか購入目的とかも重要なポイントとなります。また、その事情によって、解除まで要求できるか、損害賠償に請求にとどまるかについても、決まってくるでしょう。

 

このような物件であることを売買契約後に知った買主は、売主に対し、売買契約を解除したり、損害賠償請求をしたりすることになります。

法的構成として、瑕疵担保責任、重要な事実を告知しなかったことによる債務不履行責任、不法行為責任の追及が考えられます。

 

また、だまされたということで詐欺取消や錯誤による無効により契約自体を無効とすることや、消費者契約の場合には、重要事実の不告知ということで取り消しうる場合がありえます。

 

不動産売買や賃貸など不動産に関するトラブルでお悩みの方は、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

 

十日えびす!!

10日に柳原蛭子神社に行ってきました。

平日の昼だったので空いていました。

 

 

事務所に戻って、早速、福笹を飾りました。

商売繁盛!笹持ってこい!!

未払残業代の請求について

最近、残業したのに残業代を支払ってもらえないという相談を受けることが多くあります。

日本では、以前より、サービス残業が常態化していましたが、終身雇用制の中では問題にならなかったのが、雇用の流動化とともに顕在化してきたのだと思います。

 

今回は、未払残業代を請求するにあたっての注意するポイントをいくつか挙げて解説したいと思います。

 

まず、最初のポイントは「時効」です。

労働基準法では、給料等の請求の時効期間は、労働基準法で2年と定められています。

 

そのため、未払い残業代の請求をする場合も、実際上支払いを期待できるのは直前の2年分に限られます。

各支払い日から2年間が経過すると時効にかかってしまいますので、特に退職後に請求するという場合は、時間が経過すればするほど請求できる金額は減ってしまいます。

 

したがって、もし退職後に未払い残業代の請求を考えているのであれば、速やかに行動をすることが大切です。

 

次に、労働時間になる範囲についてです。

労働時間は、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」かどうかで決まります。

 

例えば、朝礼や掃除のために、始業時間よりも前に来ることが義務付けられているという場合は、これも労働時間になります。

後片付けの時間なども、それが義務的なものなのであれば、労働時間です。

また、電話当番をしている時間や客が来るのを待つ手待時間も、休憩時間とは違って自由に過ごせるわけではないのですから、労働時間になります。

 

3つめのポイントは、これが最も重要で、かつ難しいのですが、「残業時間の証明」です。

残業代がきちんと払われていないことが分かり、会社に未払い分を請求したいという場合に、一番大きな障壁となるのは、残業時間を証明する方法です。

 

裁判で未払い残業代を請求する場合などは、残業時間を1日ごとに正確に証明する必要があります。

残業時間を証明するときに、一番頼りになるのはタイムカードです。

勤務先にタイムカードがあるのであれば、そのコピーを必ず取っておきましょう。

 

もっとも、勤務先によってはタイムカードがない、あるいは、タイムカードはあっても、労働時間が正確に記録されていないという場合もあります。

このような場合は、例えば、労働時間が分かる業務日報、パソコンの記録、自分で作成した出勤・退勤時間の記録メモ等によって立証していくことになります。

ただし、自分で作成した記録等によって立証しようとする場合には、これを裁判所に信用してもらうためのハードルは相当高いことは覚悟しておかなければいけません。

 

未払残業代など労働問題でお悩みの方は、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

不当違法な訴訟に対する慰謝料請求について

民事訴訟において、訴えを提起された側が勝訴した場合に、その訴え自体が不当違法であったとして、訴えを提起した相手方に対して慰謝料などの損害賠償を請求することはできるでしょうか?

今回はこの問題について考えてみたいと思います。

 

まず、憲法では、国民には裁判を受ける権利が保障されており、訴えを提起すること自体は権利として認められています。

また、私人間で何らかの紛争がある場合には、最終的には裁判所で決着をつけるしかありません。

 

そのため、原則としては、訴訟を提起して敗訴した場合でも、訴えを提起された側が、訴えを提起したこと自体が違法であるとした慰謝料請求は認められません。

 

ただ、提訴者が、その訴えに全く法的根拠がないことを知りながら、あえて訴えを提起したような場合には、例外的に、その訴え提起自体が違法となるとされています。

 

判例においても、「民事訴訟を提起した者が敗訴の確定判決を受けた場合において、同訴えの相手方に対する違法な行為といえるのは、当該訴訟において提訴者の主張した権利又は法律関係が事実的、法律的根拠を欠くものであり、提訴者が、そのことを知りながら、又は通常人であれば容易にそのことを知り得たといえるのにあえて訴えを提起したなど、訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くと認められるときに限られるものと解するのが相当である。」としています。

 

なお、訴訟を提起された場合には、その訴えの内容が法的に根拠のない場合であっても、放っておかずに、必ず応訴する必要がありますので、注意してください。

 

法的なトラブルでお悩みの方はどうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

 

 

新年あけましておめでとうございます!

あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いします。

 

「末ついに海となるべき山水もしばし木の葉の下もぐるなり」

 

この句は江戸時代後期の詩人・伴蒿蹊の句ですが、田中角栄元首相が好んだと言われています。

 

今年の4月で当事務所を開設して丸5年が経過します。

まだまだ木の葉の下で、大海までは遠いですね。

 

今年は1月2日から事務所に出ています。

事務所から見た湊川神社の風景です。

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