7月2013

職場におけるパワハラについて

パワハラとは、パワーハラスメントの略で、職権などの権力(パワー)などを背景に、本来の業務の範疇を超えて、継続的に人格と尊厳を侵害し、不法に精神的・肉体的な苦痛を与えることを言います(簡単に言うと、職権などの権力を盾にした嫌がらせやイジメです)。

 

一般的には上司から部下への加害行為が多いのですが、パワハラについては、真正面からとらえて対策を講じている法律がないのが現状です。

 

今日は、この職場におけるパワハラについて考えてみたいと思います。

 

まず、何がパワハラなのか、というのは「民法上の不法行為にあたるかどうか」という問題になります。

 

つまり、「正当な職務の範囲内なのか」「社会的に相当なのか」などの観点から判断されると考えられます。

「仕事にかこつけた常識外れの度を越えた単なる嫌がらせ、イジメ」と言えるならば、パワハラになると考えられます。

 

パワハラの具体例としては、次のようなものがあります。

 

①一人ではできそうにない仕事の押し付け、そもそも達成不可能な目標を課して、達成できなかった場合に罵倒したりする。

 

②ちょっとしたミスでも容赦のない、叱責、暴行、無視、冷遇など必要以上の執拗な説教をしたり、反省文の提出を強制したりする。

 

③職場で無視、仕事を与えないなど

 

④人格攻撃  「お前はホントにダメな人間だな」「お前は才能が無いよ」「お前は三流大学出だからな」などと人格を攻撃することを言う。

 

⑤性格や家族の悪口を言いふらす

 

⑥目の前にいるのにメールで指示を出す

 

⑦事務職社員に対して時間外の清掃、草むしり、ガラス拭きなど本来の業務と無関係な仕事を命じる

 

⑧飲み会に来るよう強制する、来ないと無視したり仕事をまわさなかったりする。

 

⑨退職の強要

 

⑩殴られる(殴る)など

 

 

次に、パワハラに対する法的責任の追及としては、

 

加害者に対しては、民事責任として、不法行為に基づく損害賠償責任が発生します(慰謝料など)。

また、場合によっては刑事責任を検討します。具体的には、傷害罪、暴行罪、名誉毀損罪、侮辱罪などが考えられます。刑事責任を追及するには、告訴・告発をすることになります。

 

会社に対しては、不法行為責任(民法709条)、使用者責任(民法715条)、共同不法行為責任(民法719条)、債務不履行責任(民法415条)を追及していくことになります。

 

会社には、安全配慮義務(雇い入れている従業員が安全に業務に従事できるようにするべき義務)があります。

また、社員が快適な環境で働けるようにするための職場環境配慮義務があります。

これらを怠ると、債務不履行責任(民法415条)を問われることになります。

 

職場におけるパワハラなど労働上の法的トラブルでお悩みの方はお気軽に当事務所までご相談ください。

 

離婚後の子どもの養育費の変更

離婚の際に、取り決めた養育費の額は、その後の事情(失業など)により変更することはできるのでしょうか。

 

今日はこの問題について考えてみたいと思います。

 

結論的には、離婚時に決めた養育費の額は、絶対的なものではなく、その後の親権者または非親権者の事情により変更されることがあります。

 

たとえば、母が親権者となった場合、離婚時には父の収入が少なかったが、その後大幅に収入が増えた場合には、養育費の増額を請求することができます。

 

逆に、母が再婚して、再婚相手に十分な収入もあり、子供を養育する余裕があるような場合には、父の側から養育費の減額を申し出ることができます。

 

このような請求をするために、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。

 

離婚や養育費などの夫婦間の法的なトラブルでお悩みの方はどうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

 

池井戸潤「オレたち花のバブル組」

作家の池井戸潤の「オレたち花のバブル組」を読みました。

この作家は、「飛ぶタイヤ」、「鉄の骨」、「下町ロケット」など企業を舞台にした社会的作品で有名な作家ですね。

とても骨太な作品が多く、僕が好きな作家の一人です。

 

この作品は、初期の作品で、いわゆる半沢尚樹シリーズの一つで、現在、日曜日の21時から、堺雅人主演でテレビドラマ化されています。

 

非常に読みやすくておもしろい本ですので、皆さんにお薦めします。

高野和明著「13階段」

高野和明氏の「13階段」を読みました。

この作品は,江戸川乱歩賞を受賞した作品で,映画化もされたと思います。

この作家の本は,初めて読みましたが,結構おもしろかったです。

 

ストーリーは,かつて人を殺した仮出所中の男性と刑務官が,死刑間近の死刑囚のえん罪を晴らすために捜査をするという内容です。

 

推理とサスペンスが入り交じる中に,罪を償うことや遺族の気持ち,応報などを考えさせられる作品です。

それと,ムダな記述が少なく,分量も丁度よくて読みやすいですね。

 

おもしろくて読みやすいので,皆さんも一度読まれてはどうですか?

 

参議院選挙&兵庫知事選

18日(木)に参議院議員普通選挙と兵庫知事選の期日前投票をしてきました。

ところで、衆議院選挙は「総選挙」、参議院選挙は「通常選挙」と呼ばれています。

これは、参議院は、衆議院と異なり、3年に1度、議席の半数ずつ選挙をするため、そのように呼ばれています。

 

いずれにしても明日の日本と兵庫県の行方を決める大事な選挙です。

 

 

皆さんも必ず投票に行きましょう!!

 

 

離婚と子どもの養育費の未払について

離婚成立後、相手方が約束した養育費を払って来ない場合、どのような法的手段を取れるのでしょうか?

 

今日はこの問題について考えてみたいと思います。

 

調停や裁判による離婚で養育費の支払いが決められた場合や、協議離婚でも養育費の支払いを公正証書で約束した場合には、相手の財産を差し押さえる手続(強制執行)がとれます。

 

また、相手に不動産や預貯金があればこれを差押さえられますし、職場が分かっていれば給料の差し押さえをすることもできます。

 

ただ、協議離婚で公正証書もない場合には、改めて裁判所に支払を求める訴えを起こし、判決を取らなければ差押えの手続はとれません。

 

調停による調書がある場合には、家庭裁判所に履行勧告や履行命令をしてもらうよう申立をすることができます。

強制力はないのですが、裁判所からの命令であること、履行命令に違反すると過料という行政罰による制裁があることから、履行に期待が持てる制度です。

 

また、強制執行がうまくいかない場合には、財産開示手続という制度を使って、相手の財産を調査することができます。

この制度も相手が協力しない場合には過料による制裁がありますので、一定の協力が期待できます。

 

養育費の未払など法的なトラブルでお悩みの方はどうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

 

甲子園!!

日曜日に友人と甲子園に野球観戦に行きました。

当日は夕方から雨で試合が少し遅れましたが、座席が内野指定席で屋根があったので、雨にも濡れず快適でした。

 

試合は横浜が相手でしたが、休日で藤波の先発なので超満員でした。

新井良太の満塁ホームランもあり、藤波も勝ち投手で快勝!!

 

阪神タイガース~!!

 

さあ、いよいよ読売との決戦です。

婚外子の相続の権利と最高裁について

両親が結婚しているかどうかで子どもが相続できる遺産に差を設けている民法の規定について、先日、最高裁判所の大法廷で弁論が開かれました。

 

明治時代から続く民法の規定が憲法に違反するかどうかについて、最高裁が判断を見直す可能性もあり、結論が注目されます。

民法では、結婚していない両親の子ども、いわゆる「婚外子」は、結婚している両親の子どもの半分しか遺産を相続できないと規定されています。

 

これに対し、東京と和歌山のケースで、婚外子の男女が「法の下の平等を定めた憲法に違反する」と訴えていて、10日、最高裁判所の大法廷で双方の意見を聞く弁論が開かれました。

 

婚外子側の弁護士は、「両親が結婚しているかどうかは子どもの意思とは無関係なのに差別は不当だ。事実婚の増加などで家族や結婚の価値観は変化し、規定の存在意義はすでに失われている」と述べました。

また、東京の婚外子の男性は法廷で、「子どもの頃や結婚の時に肩身の狭い思いをしてきた。差別をなくすべきだ」と訴えました。

 

これに対し、相手側の弁護士は、「法律上の結婚を尊重するための規定で合理性がある。家族や結婚について国民の意識が大きく変化したとは言えず、見直す必要はない」と述べました。

 

最高裁は、18年前の平成7年も大法廷で審理を行い、この時は「憲法に違反しない」という決定を出していますが、再び大法廷で弁論が開かれたため、これまでの判断が見直される可能性もあります。

 

最高裁は、この秋にも判断を示すとみられていて、「憲法違反」とされれば、明治時代から続く民法の規定は改正が迫られることになります。

 

相続・遺言などの法的トラブルでお悩みの方は、当事務所までお気軽にご相談ください。

 

有川浩「県庁おもてなし課」

作家の有川浩の「県庁おもてなし課」を読みました。

有川浩は、私の好きな作家の一人で、「阪急電車」とか「図書館戦争」など最近非常に人気のある作家ですね。

 

私もこの作家の作品はほとんど読んだような気がします。

 

この作品は、高知県庁の「おもてなし課」という課の職員が、高知県の観光振興を行う姿を描いています。

 

公務員である県庁職員が「お役所しごと」や「お役所の発想」から抜け出していく姿は興味深かったですね。

 

私も以前公務員でしたので、非常に共感する部分も多かったです。

ただ、少し違うなあというところも、わずかですが・・・。

 

ところで、有川浩さんが高知県出身というのは初めて知りました。

 

気軽に読みやすくおもしろい本なので、皆さんも読まれてはいかがでしょうか?

お薦めします!!

労働者の身だしなみについて

使用者は、業務に適さない髪型や服装等をしている労働者に対してどのような対応をすることができるでしょうか。

今日は、この問題について考えてみたいと思います。

 

まず、身だしなみに関しては、判例上、使用者は、企業が企業秩序の維持のために、企業の円滑な業務上必要かつ合理的な範囲であれば、労働者の髪型・服装等を制限することが許されるとされています。

 

では、就業規則において、髪型・服装等の身だしなみについて定めている場合、その規程に違反した労働者を懲戒解雇することはできるのでしょうか。

 

この点、判例では、トラックの運転手が頭髪を黄色に染めたことを理由とした解雇を無効としています。

この判例においては、会社側の営業に具体的な悪影響を及ぼしたとはいえず、対外的な影響より社内秩序を念頭にした対応であったといえることや、労働者が一応対外的に目立つ風貌を自制する態度に出ていたにもかかわらず、始末書の提出を求めるなどしており、社内秩序を図るためとはいえ、その合理性、相当性に関する検討をしたうえでなされたものとは認められないと認定されています。

 

また、男性職員の長髪やひげを不可とする身だしなみ基準に違反したことを理由としてマイナスの人事評価に基づく賃金カットや職務担当に関する差別を行った事案において、裁判例では、このような基準は男性職員の髪型及びひげについて過度の制限を課するというべきで、合理的な制限とは認められず、「顧客に不快感を与えるようなひげ及び長髪は不可とする」との内容に限定して適用されるべきものとしています。

 

使用者としては、労働者の身だしなみについて制限はできますが、その範囲は限定されるといえます。そして身だしなみを理由に懲戒解雇を行うためには、企業内又は業務遂行上著しい支障を来すおそれがなければできないものと思われます。

また、人事評価や職務担当の転換についても慎重にならざるをえないものと思われます。

 

労働上のトラブルなど労働問題についてお悩みの方は、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。