3月2013

小野市福祉給付制度適正化条例の可決!!

先日、兵庫県小野市で、生活保護費や児童扶養手当をパチンコなどのギャンブルで浪費することを禁止し、市民に情報提供を求める「市福祉給付制度適正化条例」案が27日、市議会本会議で原案通りに可決、成立したとの報道がありました。

 

この施行の条例は4月1日だそうです。

条例では不正受給や常習的な浪費を見つけた場合、市への情報提供が「市民の責務」と記載されており、情報は警察OBら適正化推進員に調査させる方針のようです。

小野市の蓬莱市長は「責務という言葉がなければ(市民が)行動に移しにくい。警察OBは専門能力を持ち、犯罪捜査を行うわけではない」と説明しています。

 

この条例に対しては、兵庫県弁護士会などが反対していますが、市に寄せられた全国からの意見は賛成が多かった そうです。

 

しかし、私はこの条例には反対です。

確かに、生活保護費をギャンブルに使うこと自体、個人的には決していいことだとは思いませんが、生活保護費に何を使うかは、基本的には「個人の自由」だと思います。

 

そして、この条例の根底には、生活保護の受給者は、それ以外の者の状態よりも快適であってはならないという劣等処遇の考え方や生活保護受給者に対する差別や偏見があるといわざるをえないと思います。

 

もちろん、不正受給は犯罪行為であり、それを許さないというのは当然です。

しかし、生活保護受給者も、憲法上、個人として尊重されるべきであり、本来、個人の自由として許されるべき行為を公的機関が監視をするというのはプライバシーの侵害の恐れがあり、行き過ぎだと思います。

 

私は、この条例は憲法違反の可能性も高く、廃止されるべきだと思います。

労働者のタイムカードの不正打刻について

多くの企業では、出退勤を機械的に記録管理するものとして、タイムカードが使用されています。

そうした場合に、労働者が他人にタームカードを打刻させる、実際の労働時間と異なる時間にタイムカードを打刻する等、労働者の有利に実際の出退勤とは異なった時間のタイムカードを打刻した場合、使用者として実際の労働時間と齟齬が生じる部分について賃金の支払を拒絶し、又は懲戒処分を行うことができるでしょうか。

 

今日は、このタイムカードの不正打刻について考えてみたいと思います。

 

まず、タイムカードで労働者の労働時間管理をしていたと認められる場合には、タイムカードに打刻された時間が労働時間と推定されます。

 

したがって、使用者は、タイムカードの記載に従って労働時間を算定し、その賃金を支払わなければなりません。

もちろん、使用者がタイムカードの記載の労働時間と実際の労働時間が異なることを証明できれば、使用者は賃金の支払を拒むことも可能です。

 

使用者としては、時間外労働については、残業申告書等の手続きを明確に定めておく等して、正当な手続きがなされない限り残業は恣意的な居残りであることを明らかにするといった方法で労働者の労働時間を管理することが重要でしょう。

 

また、欠勤した同僚のタイムカードを不正に打刻した者を懲戒解雇した事案において、最高裁は、タイムカードの不正打刻をした場合には懲戒解雇をすることもありうることを周知徹底させ、その警告を知りながらタイムカードの不正打刻をしたのであるから、不正打刻をした者の懲戒解雇も有効であるとしています。

 

逆に言えば、このような周知徹底がなされていない場合には、いきなり懲戒解雇をすることは難しいともいえます。

 

使用者としては、タイムカードの不正打刻等の労働時間の虚偽申告に関して、就業規則の懲戒事由として定め、タイムカードの打刻機の傍にその旨を警告する表示を行うなど、労働者に周知徹底をさせることが重要でしょう。

 

労働上のトラブルなど労働問題にお悩みの使用者及び労働者の方は、当事務所までお気軽にご相談ください。

 

 

 

池井戸潤著「オレたちバブル入行組」

池井戸潤著「オレたちバブル入行組」を読みました。

 

この作家は,このブログでも紹介したように,「下町ロケット」,「空飛ぶタイヤ」,「鉄の骨」などで有名な作家です。

 

どの本も,非常に骨太で読み応えのある本が多い作家ですね。

 

この本は,この作家の初期の本のようです。

バブル期に銀行に入行した主人公が,その後の不況の中で,銀行融資した中小企業が倒産して,上司からその責任を転嫁され,追いつめられる中で,債権回収やその倒産の裏を暴くとちいうストーリーです。

 

読みやすくて一気に読みましたが,正直おもしろかったです。

バブルという言葉は懐かしいですね。

 

ということで,お薦めの本ですので,興味のある方はお読みください。

 

労働者の「試用期間」について

企業では,労働者を採用する際に,3~6ヶ月程度の試用期間を設けることが多く行われています。

 

今日は,この労働者の試用期間について,法的に考えてみたいと思います。

 

試用期間とは,「試用」ないし「見習い」期間として,その期間の労働者の業務において能力及び適格性を評価し,本採用をするかどうか判断するために設けられる入社後の一定期間のことをいいます。

 

判例では,試用期間の法的性格について,その期間の業務により適格性がないと判断された場合には本採用を拒否することができるという解約権留保付労働契約としています。

 

したがって,試用期間中の労働者の勤務を評価し,能力・適格性において,雇用を継続することが適当でないと判断した場合には,解雇または本採用拒否という方法で解約権が行使されることとなります。

 

試用期間については,法令の定めがないものの,1ヶ月から6ヶ月程度の試用期間を設けるのが一般的ですが,試用期間の延長を行うためには,延長の可能性及びその事由,期間等を就業規則等に定めておくことが必要です。

 

試用期間後の本採用拒否などの解約権の行使については,本採用後の解雇に比べると若干緩く考えられているものの,客観的に合理的な理由が存し,社会通念上相当と認められる場合に限り許されるとしています。

 

多くの判例では,業務不適格・勤務成績不良とい事由について,会社に教育的見地から矯正や教育に尽くすべきという点を重視する傾向にあることに留意する必要があります。

 

試用期間など労働問題に関する紛争についてお悩みの方は,どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

 

 

in湯布院!

先週の土日に九州の湯布院に旅行に行ってきました。

今回は,自治大学校の同期の九州ブロックの会に参加しました。

 

まず,金に博多で修習同期の弁護士の友人と飲んで,それから朝,ゆふいんの森号で由布院に行きました。

自治大学校を卒業して15年近く経ち,15年ぶりに会う人もいたのですが,会ってすぐに打ち解け会いました。

 

温泉にゆっくり入った後,夜は宴会の後,近くのホテルの「C.W.ニコル」の良く行くニコルズバーに行くなど,夜中まで大いに盛り上がりました。

 

翌日は朝,金鱗湖に行った後,馬車で由布院の街を巡りました。

   

 

久しぶりに?ゆったりと休めたような気がしました。

九州ブロックの皆さん,ご苦労様でした。

また,近いうちに会って,ゆっくり飲みましょう!!

池井戸潤「鉄の骨」

池井戸潤の「鉄の骨」を読みました。

この作家の本は、先日読んでここで紹介した「空飛ぶタイヤ」に続いて読むのは2作目でした。

この本は、建設業界の談合の内幕やそれを巡る人間関係などを描いた本です。

 

この本は、「空飛ぶタイヤ」と同様に、ドキュメンタリーと思わせるほどの非常に骨太の内容であり、またサスペンス的な部分もあり本当に面白かったです。

 

皆さんにお勧めしますので、興味のある方は是非お読みください。

 

マツダの制度と労働者派遣法違反!!

先日、労働者の派遣期間が3年を超えないよう、派遣社員を一時的に直接雇用していたマツダの制度が適法かどうかが争われた訴訟に対する判決がありました。

 

そして、山口地裁は、判決で、「派遣の常用雇用を防止する労働者派遣法の根幹を否定する施策である」として、マツダの制度を違法と判断し、雇用を打ち切られた元派遣会社社員についてマツダとの黙示の労働契約が成立するとして正社員と認めたうえで、賃金の支払も命じました。

 

労働者派遣法は、派遣期間が連続3年を超えれば、派遣先が直接雇用をすることを義務づけています。

これに対して、マツダの「サポート社員制度」は3年を迎える前に派遣社員を「クーリング期間」として3ヶ月ないし6ヶ月間、サポート社員として一時的に直接雇用し、その後、再び派遣社員に戻すことを繰り返していました。

 

裁判所は、このようなマツダの雇用システム全体を労働者派遣法の「抜け穴」利用として、違法と判断したといえます。

この判決は、類似の訴訟や100万人を超すといわれる派遣労働者の現場に影響を及ぼすもので、画期的な判決といえます。

 

私は、労働者派遣法の趣旨に照らせば、妥当な判決であると思います。

ただ、恐らく、マツダ側は控訴すると思われますので、今後の行方が注目されますね。

 

派遣労働など労働問題のトラブルにお悩みの方は、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

 

 

 

 

行方不明の配偶者との離婚

配偶者の一方が、行方不明になってしまった場合に、残された相手は離婚できるでしょうか。

今日は、この問題について考えたいと思います。

 

配偶者の行方がわからないということですが、生死自体がわからない場合と、生きてはいるだろうけれどもその所在がわからないという場合が考えられます。

前者の生死自体がわからない場合は、民法では配偶者が「三年以上生死不明」の場合、それだけで離婚が認められます(民法770条1項3号)。

 

ただ、生死を確かめるためには、まず、配偶者の所在を探さなければなりません。

通常は、警察に捜索願を出したり、配偶者の親類に所在を知らないか問い合わせをすることになるでしょう。

 

しかし,手を尽くしても配偶者の所在がわからない場合は、所在不明のままで離婚裁判をすることができます。

 

通常は、裁判の前にまず離婚調停を申し立てなければならないのですが、相手の所在が不明では話し合いで進める調停の手続はできませんから、直ちに家庭裁判所に離婚の訴訟を起こします。

 

訴状は被告に送達することが必要ですが、この場合には、普通の郵便による送達は不可能ですから公示送達という方法が認められています。

裁判所の掲示場に呼出状等を掲示する方法です。

 

この場合、通常、被告が期日に来ることのないままで訴訟手続は進められ、原告の提出する証拠で離婚原因があると判断されれば、離婚判決を得ることができます。

 

離婚でお悩みの方は、当事務所までお気軽にご相談ください。

 

恩田陸「像と耳鳴り」

作家恩田陸の小説「像と耳鳴り」を読みました。

この作家は、女流作家で、これまで「六番目の小夜子」や「夜のピクニック」など何冊か読んだことがありました。

主にミステリーを描いた作品が多いですね。

 

この作品もミステリーの短編12作品で構成されています。

ストーリーは元裁判官が謎を解くというのが中心ですが、それにまつわる人間関係もおもしろい作品ですね。

 

短編で読みやすいので、電車の中などで読むのにはお薦めだと思います。

富樫倫太郎著「SPOⅢ」

富樫倫太郎の「SPOⅢーキラークィーン」を読みました。

この作家の本は、このSPOシリーズのⅠ、Ⅱを読んで、これで3冊目です。

この本は、警視庁広域捜査専任特別調査室(通称SPO)という部署の刑事が未解決の難事件を解決する話です。

このSPOの刑事が一癖ある人ばかりで、その人間模様と犯罪捜査を描いています。

 

ⅠとⅡはそれぞれ話が完結して、そこそこおもしろかったのですが、このⅢは、続きはⅣでという感じです。

少し消化不良ですね。

 

という感じです、