花押による遺言書

戦国武将がサインとして用いた「花押」を記した文書が遺言書として有効かどうかが争われた訴訟について、最高裁は、「花押は印章による押印と同視できず無効」と判断しました。
 
文書は、沖縄県の男性が死亡前に作成したもので、男性には息子が3人おり、文書は「財産は次男を家督相続人として継承させる」と記し、末尾に花押があったっようです。
 
民法996条では、「自筆証書遺言によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自筆し、これに印を押さなければならない。」と定めており、これに違反する場合は、遺言は無効とされています。
 
本件では、「花押」が印の代わりと認められるかが争点となり、1、2審は「押印よりも花押の方が偽造が困難」として遺言書として有効と判断していました。
 
しかし、最高裁は、「押印に代えて花押を書くことで文書を完成させるという慣行や法意識は存在しない」と指摘して遺言を無効としました。
 
なお、次男は「文書は遺言書として無効でも、契約書として贈与が成立している」とも主張しており、最高裁はこの点についての審理が必要として高裁に差し戻したようです。
 
自筆証書遺言は、形式を欠く場合は、無効とされ、過去には、「4月吉日」という表示は日付を欠くものと無効とされた例もあります。
確かに、自筆証書遺言は、簡単ですが、無効とされるリスクや家裁の検認が必要であるなどを考えると、やはり公正証書遺言が優れていると思います。