離婚後の子どもとの面会交流

裁判所の調停で離婚し、一方の親が子どもの親権者になり、非親権者の親と子どもとの面会について調停で取り決めをした。しかし、親権者である親が、その取り決めを守らずに子どもとの面会交流を拒むという場合があります。
 
今回はこの問題の対処方法などについて考えてみたいと思います。
 
未成年の子どもがいる夫婦が離婚する場合、親権者とならなかった親が、子どもと個別に会ったり、文通したりできるよう、具体的な内容や方法について取り決めることがあります。
こうした親子の面会などを、面会交流と呼びます。
 
面会交流をめぐる紛争は、近年、大幅に増加しています。
こうした場合に、面会交流を実現するには、①履行勧告の申し出をする、②あらためて面会交流の調停を申し立てる、③強制執行を申し立てる-といった方法が考えられます。
 
履行勧告は、家庭裁判所から、親権者である親に対し、調停での面会交流の取り決めを実行するよう勧告してもらう方法です。
申し出の様式は決まりがなく、電話でもかまいません。費用もかからない反面、勧告に法的な強制力はありません。
 
また、親権者である親が、調停で取り決めた面会交流の方法(回数、日時、場所など)に不都合が生じているため、拒絶している場合があります。
このときは、あらためて調停を申し立てることにより、実施方法を調整することも考えられます。
 
他方で、調停で取り決めた面会交流を強制的に実現させるには、強制執行を申し立てることが考えられます。
もっとも、子どもを強制的に連れてくることはできません。
 
この方法は、裁判所が、親権者である親に対し、一定の期間内に面会交流の取り決めを実行しない場合に、金銭の支払いを命じることで、面会交流を心理的に強制する方法(間接強制)です。
ただ、この方法を採るためには、調停条項に、面会交流の具体的な方法(回数、日時、子どもの受け渡しを行う時間、場所および方法など)が、きちんと定められていなければなりません。
 
なお、面会交流を実現する方法ではありませんが、過去の裁判例の中には、親権者などに対する損害賠償請求を認めたケースもあります。